観戦せざる観戦記

プロの将棋をもとに考えたもの

永瀬六段の受け

千田翔太 六段 vs. 永瀬拓矢 六段 第43期棋王戦挑戦者決定トーナメント

 

千田六段はコンピューターを取り入れていることで有名。タイトル挑戦の経験もありますね。

永瀬六段は、その独特の棋風が有名。

 

本局は棋風が出た将棋だったと思います。

 

まずはこの局面。先手はどう指したでしょうか。

f:id:shirokuma86:20171023104036g:plain

 

正解は▲5八桂!

狙いがまったくわからないですね。

粘った手なんでしょうか・・・

 

 

続いて下図。

たたきの歩に対してどうするか。

私には頭に浮かびもしませんでした。プロレベル。

f:id:shirokuma86:20171023104222g:plain

 

 

 

正解は

△同銀▲3三歩△同金直▲3五歩(下図)

f:id:shirokuma86:20171023104401g:plain

 

手筋をそのまま食らったように見えます。

銀は殺され、そのうえ3四の銀をとった手が金に当たります。

これは厳しいだろうと思ったのですが・・・

この後、後手が形勢がよくなっていったのです。

もしかすると、永瀬六段は、銀をおとりにして、あえて先手に歩を使わせたのかもしれません。▲3四歩△3二金引となると、後手陣は意外にも固いようです。

 

 

続いて下図。先手はどう受けるのでしょうか。

f:id:shirokuma86:20171023104721g:plain

 

 

正解は▲2九飛車。

 

この手がいい手かどうかは私にはわかりませんが、▲6九桂馬等、他の手もありそうです。また、この▲2九飛車に対しては、△6八銀が厳しそうです(実戦でも打たれました)。

そのため、ここでは△2九飛車しかないと先手が判断したことに私は驚きました。

 

以降は、永瀬六段が押し切ったようです。

粘り強い棋風が現れた一局だったと思います。