観戦せざる観戦記

プロの将棋をもとに考えたもの

糸谷哲郎 八段 vs. 斎藤慎太郎 七段 第67期王将戦挑戦者決定リーグ戦

 第67期王将戦挑戦者決定リーグ戦

糸谷哲郎 八段 vs. 斎藤慎太郎 七段

2017-10-24

 

糸谷八段の力は有名ですが、斉藤七段もタイトル挑戦の経験を持つ実力者。

さて、大変な熱戦になりました。

 

まずはこの局面。後手側からの攻めを考えてください。(プロレベル)

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正解は△9五歩▲同歩△9七歩(下図)。

よくわからないですよね。何をしたいのか。

 

さて、この下図から、さらに3手1組の後手の攻めを考えてください(プロレベル)。

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正解は△5七桂成▲同金△9六歩!(下図)

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ようやく狙いがわかってきました。

十字飛車なのです!

勉強になりますよね。

 

ちなみに、この後先手はどうしたと思います?

マチュアは「しょうがない」といっていったんこの歩をとる人ばかりだと思います(もちろん私もそうです)。しかし糸谷八段は違う。

この後、▲5五歩!△6三銀▲4五歩!と進んだのです。

 

 

さて、進んで下図。

先手はどう攻めたでしょうか。(6段以上)

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正解は▲1三桂!

退路封鎖の手筋とはいえ、とても指せません・・・

 

さて、さらに驚きは続きます。

下図から、どんな進行をたどるか、考えてみてください。

(後手玉は風前のともしび、先手が押し切るだろうと思いますよね)

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正解は、▲2四歩!△6九香成!

先手からはゆるい感じの2四歩を指し、後手は、あれほど危ない王を放って、香を成る・・・

 

以下、こんな局面からねじりあいが続き、最後は後手の斉藤七段が勝ちました。

どちらも強い・・・としかいいようがありません。

 

投了図

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