観戦せざる観戦記

プロの将棋をもとに考えたもの

鈴木大介 九段 vs. 飯島栄治 七段 第89期棋聖戦二次予選

第89期棋聖戦二次予選

鈴木大介 九段 vs. 飯島栄治 七段

丁寧な棋風の飯島七段と感性が強さの鈴木九段(私の勝手な見方ですが)

その戦いですね。

 

まずは下図。驚くような角の取り合いとなり、下図は先手番です。

さて、どう指すでしょうか(2段)

f:id:shirokuma86:20171113103154g:plain

 

正解は▲4三成桂。

次に▲3二成桂とされてはいけないので、後手は△同銀と取ります。

それから、▲7七桂と、と金を払います。

大事な手順です。

ただ代わりの手として、▲2二の銀を取ることは、考えられると思います。

 

ここからの3手を考えてください(6段)

f:id:shirokuma86:20171113103422g:plain

 

正解は▲5八金打△7六馬▲6八金!

これで後手はと金を助けることができません。

以下、先手がこの金をどんどん前に出して、後手の馬を抑え込みます。

鈴木九段が、自信を持って指している様子が目に浮かぶようです。

 

下図から、後手は抑え込みを免れるため、驚きの3手を繰り出しました。(5段)

f:id:shirokuma86:20171113103557g:plain

 

正解は、△6五桂!▲4八銀△6四桂

桂をタダで捨ててまで、抑え込みを免れようとしています。

先手も、その手には乗らぬと、取れる桂馬を取らずに、銀を引いています。

それでも、さらに7六の金にはたらきかける△6四桂。

この金を狙うのが急所なんですね。

 

この将棋、大量リードを得た鈴木九段が危なげなく勝ち切りました。

丁寧な棋風の飯島七段にしては、少し早い段階で差をつけられたのではと思いました。

私にはわかりませんでしたが、鈴木九段がうまかったのかもしれませんし、ひょっとすると、飯島七段が何か見落とし(判断ミスを含む)をされたのかもしれません。