観戦せざる観戦記

プロの将棋をもとに考えたもの

阿久津八段の鮮やかな捌き

2017-10-20

斎藤 慎太郎 七段 vs. 阿久津 主税 八段 第76期順位戦B級1組5回戦

 

タイトル挑戦をしたこともある斉藤七段も楽しみですが、阿久津八段の俊敏な棋風も楽しみです。

阿久津八段が格上とは言えると思いますが、さてどうなるか。

 

阿久津八段がうまくさばいたような中盤から、下図。

さて、振り飛車としては、この両取りをどう受けるか?(初段)

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正解は△4二飛車でした。

△4二金もあったかもしれませんが、いずれにしてもこれできれいにさばきました。

実に鮮やかです。

 

その後振り飛車が有利を拡大しているような局面ですが、さて、苦しそうな先手としてはどうするか。(3段)

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正解は▲7五歩。

ここに手を付けてこられると、私なんかは後手を持って不安になります。

 

さて、先手が懸命に紛れを求めて▲5五桂と打ったところ。

後手としてはどう受けるでしょうか。(4段)

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正解は△7二銀打。

ついつい5四に金を上がってみたくもなると思うのですが、強い人はこういうところで駒をケチらないのですね。

 

以下、余裕をもって阿久津八段が勝ち切りました。

鮮やかな振り飛車の捌きでした。