観戦せざる観戦記

プロの将棋をもとに考えたもの

阿部健治郎 七段 vs. 藤森哲也 五段 第89期棋聖戦一次予選

第89期棋聖戦一次予選

阿部健治郎 七段 vs. 藤森哲也 五段

2017-10-25

 

藤森五段は、プロになるのに苦労したものの、なった後は活躍しているイメージ。

阿部七段は、若手の有望株。 また、阿部七段は四間飛車激減の理由 (マイナビ将棋BOOKS)という、とてつもなく勉強になる本の著者としても記憶しています。

 

この対局、驚きました。

後手がいいところに桂馬を打って、指しやすそうな局面。

先手はどうしたでしょうか。(6段以上)

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正解は▲6五歩△同歩▲同銀!(下図)

駒損もいとわずに攻めていきました。

ここで行かないとダメだとみたのか、これで行けると見たのか・・・

 

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続いて下図。なんだかアマチュアみたいな銀ですが、この手、何を狙っているか、分かります?

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実は、△9六桂を狙っていたんですね!

放っておくと、飛車が素抜かれてしまいます。

 

先手は、金をあがって受けたのですが・・・後手はどう指したでしょうか(プロレベル)。

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正解は、△9六桂▲同金△8四歩▲8六飛車△9五歩

まで後手の勝ち(下図)

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この後金を取って先手の飛車を殺せば、一手一手なんでしょう。

後手の藤森五段は鮮やかでしたが、先手の阿部七段に誤算があったのではないかと思われました。

しかし、それにしても、きれいな手順ですね。