観戦せざる観戦記

プロの将棋をもとに考えたもの

渡辺 明 竜王 vs. 羽生善治 棋聖 第30期竜王戦七番勝負 第2局

渡辺 明 竜王 vs. 羽生善治 棋聖 第30期竜王戦七番勝負 第2局

 

いやー本当にこの二人の竜王戦は、熱戦ばかりです。

もう中継をご覧になった方ばかりだと思いますが、振り返ってみたいと思います。

 

まずは下図。次の一手はやはり本筋という感じですね(初段)

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正解は△7五歩。

この重々しさが、こういう居飛車の将棋らしいですね。

 

続いて下図。きっとこの局面は、語り継がれるでしょう(プロレベル)

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正解は△7七桂打!

ちょっと生意気を言えば、この局面になったら、この桂を打てる人はいると思うんですよ。他の手がなかなか難しそうに見えますから

(と書きながら、自分だったら、角で金を取って7六に打ちそうだなあとか、ふっと思いましたが。)

でも、この手を前々から読んでいて、それでこの局面に導いて、それで、打つと。そういう迫力を踏まえると、やっぱり心揺さぶられるようなものがありますよね。

 

さて、下図は、気持ちのいい手があります。(2段)

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正解は△7五銀。

こういう手を指せた将棋はなかなか負けないですよね。

 

さて、続いて下図。(4段)

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正解は△7六歩でした。

解説にもこの手が書いてありました。

ただ、ちょっとだけ自慢になりますが、私は△6六銀で行けるんじゃないかなと思っていました。それで終局後に追加された解説を見ると、羽生先生は6六銀と取りたかったと書かれてありました。(もっとも、そのあとの読みは当然ながらまるで違いましたが)

 

さて、最後は下図を見ていただきましょう。問題ではありません。どちらを持ちたいですか?

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この▲7八銀の局面を見て、私は渡邉竜王がこの局面を望んだのではないかとさえ思いました。後手は歩切れで、先手玉は固く、先手からは▲5六桂という厳しい攻めもあります。

羽生棋聖がこれほど上手そうに攻めても、なおこれほどきわどそうな将棋になっていることがすごいなあと思ったのです。

私が後手だったら、ここから何度でも負けるでしょうね。

 

第3局も本当に楽しみです。