観戦せざる観戦記

プロの将棋をもとに考えたもの

森内俊之 九段 vs. 佐々木慎 六段 第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選

第11回朝日杯将棋オープン戦一次予選

森内俊之 九段 vs. 佐々木慎 六段

私は、調子の悪い森内九段に頑張ってほしいと思っていました。

 

下図。先手からうまい手があります。(4段)

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正解は▲5四歩。 

放っておくと、成り捨ててから▲3四歩があります。

飛車を五筋に回ると、2筋が受かりません。

また、さすがに△6二金とは寄りにくいようです。

森内九段が一本取ったような気がします。

 

続いて下図。後手も厚みを作って、盛り返している気がします。

さて先手の手は?

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正解は▲4六銀!

遊び駒の活用ではありますが、駒得しているので、ゆっくり指すかと思っていました。

ところが激しい銀のぶっつけ。

後手が△同銀と取れば、▲6五飛車ということなのでしょうか。

 

さて、進んで下図。後手の次の手は?(4段以上)

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正解は、△7七銀!

一気にぶち込んできました。

先手もかたいのでこの攻めは止めたいところでしたが・・・

進んで下図となりました。どうやら、攻めが決まっていたようです。

この局面以降、後手がそのまま勝ち切りました。

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森内九段の将棋に粘りがなくなったように感じられてさびしくてなりません。

もちろん、永世名人にまでなられた方、きっとまた強い将棋を見せてもらえると思って、これからも応援したいと思っています。

一方、佐々木六段は、少し苦しそうな局面もあったと思いますが、一気呵成の攻めが力強かったです。