三浦弘行 九段 vs. 藤井 猛 九段
楽しみな一戦です。見どころは、藤井九段の捌きが三浦九段に対してどうか、というところだとおもっていたのですが・・・。
まずは下図。後手はどう指したでしょうか?(3段以上)
正解は△4四銀。
何でもない銀引きですが、ついつい、△6六銀とやってみたくもなりますよね。
でも、それではなかなか攻めにならないのでしょう。
続いて下図。ここから、藤井九段は戦機をつかむのです(プロレベル)
正解は△9四歩!▲同歩△同銀
桂をとるしか思いつかない局面で、藤井九段は端を逆襲することを考えました。
すごいアイディアですね。
続いて下図。いい手があります(3段レベル)
正解は△8四桂(下図)。
当然の一手なのかもしれませんが、まさに後手の銀が追われている一瞬をついた、いい手ですよね。
さて、その桂馬を打たれた下図で、逆に先手はどう指したでしょうか(プロレベル)。
正解は▲9三角!
何としても橋の主導権を握ろうとする一手です。
もしかしたら少し先手が苦しいのかもしれませんが、それにしてもすごい迫力です。
さて、ようやく私にも、後手が優勢らしいことがわかってきた下図。
後手の藤井九段は、どう攻めたでしょうか。3手考えてください(5段以上)
正解は△3九角▲3八飛車△4八金!
この重さ!
いかにも藤井九段です。しかし、よく見ると先手玉の左からは馬と香が迫っているので、右側からとにかく攻めるのは、理に適っているのですね。
この後は、波乱なく、藤井九段が押し切りました。
一瞬の戦機をつかんだ藤井九段の力が印象的でした。