村山慈明 七段 vs. 羽生善治 竜王 第59期王位戦挑戦者決定リーグ紅組 羽生竜王と村山七段、この二人は確か研究仲間のはずである。 村山七段は、羽生竜王の感性を近くで見ることができているわけだ。 期するものがあるに違いない。 (初手からの指手)▲7六歩…
第8図を再掲する。 先手の井上九段が鋭い手を指した局面である。 ここでは先手優勢と思われる。 ただし、差は大きくはないと思う。 第8図 (第8図以下の指手)△同 桂▲3五歩打△5一玉▲7九玉△3五角(第9図) 後手は△同桂。 対して先手は、▲3五歩。桂の…
井上慶太 九段 vs. 藤井聡太 六段 第68期王将戦一次予選 いわずと知れた藤井六段の将棋。 対する井上慶太九段は、あまり将棋に詳しくない人はそれほど知らないかもしれない。 この井上九段は、とにかく人柄がいい。 そのため弟子からも大いに慕われているよ…
さて、稲葉八段が懸命に手を探し、何とかたどり着いた局面である。 差は、ついているのかどうかも分からない。 私の見るところでは、後手陣の右側の桂馬等をうまくとる手があれば、先手が行けるかも、というところである。 第7図 (第7図以下の指手)▲2三…
稲葉 陽 八段 vs. 羽生善治 竜王 第76期順位戦A級プレーオフ 注目の一戦である。 勝敗は、私の予想通りであった。 (多数派の予想通りかと思うので、あまり自慢にはならないが) (初手からの指手)▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲3八銀△7二…
豊島将之 八段 vs. 羽生善治 龍王 第76期順位戦A級プレーオフ 豊島八段がこのプレーオフを爆進している。あと二つ勝てば、名人挑戦である。 対するは羽生。待望の好カードである。 舞台も申し分ない。 (初手からの指手) ▲2六歩△3四歩▲7六歩△8四歩▲2…
久保利明 王将 vs. 豊島将之 八段 第67期王将戦七番勝負 第5局 最近、調子はいいものの、それでもいいところで負かされているイメージもある豊島。 一方は振り飛車党の期待を、一身に背負う(菅井王位はいるが)久保王将。 久保王将がタイトルを維持してほ…
広瀬章人 八段 vs. 豊島将之 八段 第76期順位戦A級11回戦 名人挑戦を目指す豊島八段は、ぜひとも勝ちたい一局。 対する広瀬八段は、ついこの間、藤井五段と朝日杯で決勝を戦った強者である。 (初手からの指手)▲2六歩△3四歩▲7六歩△8四歩▲2五歩△8五歩…
藤井五段が模様をよくしている局面だが、決定的な差がついているとまでは言えないのかもしれない。 ゆっくりしていれば先手の攻め駒が一掃される恐れもある。 模様はよくても、攻める責任が先手にはある。 第10図 (第10図以下の指手) △4一飛▲8六銀△…
羽生を破った藤井を決勝で迎え撃つのは、広瀬八段。 A級棋士であり、その終盤力は誰もが認めるところである。 ただ、藤井の終盤力は桁違いとも思われるため、藤井よりも有利な面があるとすれば、それは終盤力ではなく、経験ということになるのではないだろ…
さて、局面は、羽生が歩を成ったところである。 狙いは、△4四金である。 第10図 第10図以下の指手 ▲5八玉△4四金▲4三歩打△同 玉▲4四銀△同 玉▲6六角打△5五銀打▲同 角△同 玉 藤井は、王を逃げた。 後手は着々と挟撃体制を築いている。 逆転している…
藤井聡太 五段 vs. 羽生善治 竜王 第11回朝日杯将棋オープン戦準決勝 観戦記 世間の注目を集めたこの一戦 藤井五段が、いかにして羽生竜王を破ったのか、その対局の内容を振り返る。 藤井五段が強かった、しかし、羽生竜王も、さすがであった。 (初手からの…
さて、前回は藤井五段が懸命に粘り、手数はかかったものの、南九段が大量リードを守って終盤を戦っているところまでであった。 その続きである。 第10図 (第10図以下の指手)△2二馬▲3六歩△2五歩▲同 歩△5五歩▲6三歩成△4四桂打▲3七銀△1八歩打▲3…
南 芳一 九段 vs. 藤井聡太 五段 第68期王将戦一次予選 この将棋、南九段を軽々と藤井五段が倒すのではないかと思ったのが、大方の見方だっただろう。 私もそうだった。だからこそ、挙げたのである。 (初手からの指手) ▲7六歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7七…
第43期棋王戦挑戦者決定二番勝負 第2局 黒沢怜生 五段 vs. 永瀬拓矢 七段 黒沢五段は振り飛車党で、かなり早みえの印象。 対する永瀬七段は、粘り強い棋風で、今最も強い棋士の一人に挙げられるかもしれない。 黒沢五段が敗者組から上がり、前局を(おそら…
久保利明 王将 vs. 豊島将之 八段 第76期順位戦A級7回戦 観戦記② 第9図(再掲) (第9図以下の指手)▲9三香成△同歩▲7五桂打△7四銀▲3七角△3八銀成▲5五角(第10図) 久保八段は、決めるだけ決めて、落ちている3七の成桂を払う。 駒を補充して手を…
久保利明 王将 vs. 豊島将之 八段 第76期順位戦A級7回戦 観戦記① A級を独走する豊島八段、久保王将との対決。 (初手からの指手)▲7六歩△3四歩▲6六歩△4二銀▲7八銀△4四歩▲6七銀△4三銀▲6五歩△3三角▲5六銀△2二飛▲3六歩△6二玉▲6八飛△7二銀▲4…
稲葉 陽 八段 vs. 藤井聡太 四段 第67回NHK杯3回戦第2局 観戦記② 第9図 さて、先手優勢の局面だが。(第9図以下の指手) △7七角成▲同角△同飛成▲8八角打△同竜▲同銀△4三香打(第10図)第10図 金を取って角を成ったが、結局▲2八角によって竜をとられ…
稲葉 陽 八段 vs. 藤井聡太 四段 第67回NHK杯3回戦第2局 観戦記① A級八段と藤井四段の一戦。胸を借りるという感じではなく、対等の勝負という感じではないか。 (初手からの指手) ▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲3八銀△7二銀▲6八玉△7四歩…
藤井聡太 四段 vs. 高野智史 四段 第76期順位戦C級2組7回戦 観戦記② 第8図(再掲) (第8図以下の指手) △8五歩▲同歩△8六歩打▲同金△6四銀▲同歩△9四桂打(第9図)第9図 一度屈したかのように見える高野四段は、▲6四桂を放置して8筋に手を付ける…
藤井聡太 四段 vs. 高野智史 四段 第76期順位戦C級2組7回戦 観戦記① 話題の藤井四段の順位戦から。 重く苦しい順位戦でどう戦うか。 相手の高野四段は、話題の藤井四段をやっつけてやろうと思っていたに違いない。 (初手からの指手) ▲2六歩△8四歩▲7…
第30期竜王戦七番勝負 第5局 観戦記② 羽生善治 棋聖 vs. 渡辺 明 竜王 (第6図以下の指手) ▲4六飛(第7図) 第7図 ばっさり。 (第7図以下の指手) △同銀▲3四銀△8六歩▲同銀(第8図) 第8図 先手は銀を3四にすすめた。 後手はとりあえず8筋を突…
第30期竜王戦七番勝負 第5局 羽生善治 棋聖 vs. 渡辺 明 竜王 観戦記① 永世七冠、歴史的偉業としか、いいようがない。 強いのは当然だが、ここまでモチベーションを保ち、進化し続けたことには尊敬を超えて、恐ろしさすら感じるところである。 いずれ専門誌…
第76期順位戦A級7回戦 深浦康市 九段 vs. 行方尚史 八段 ② 第8図(再掲) さて、この局面から、先手はどういう方針を立てるのか、後手はどこまで思い描いているのか。 (第8図以下の指手) ▲7四成銀(第9図) 第9図 深浦の選択は成銀で桂馬を外すとい…
第76期順位戦A級7回戦 深浦康市 九段 vs. 行方尚史 八段 重量級の深浦九段に対して、ややむらのある行方八段の対決、というところだろうか。 (初手からの指手) ▲2六歩△8四歩▲7六歩△3二金▲2五歩△8五歩▲7七角△3四歩▲6六歩△3三角▲6八銀△6二銀▲…
第76期順位戦B級1組7回戦 阿久津主税 八段 vs. 山崎隆之 八段 才能派の対決である。 いずれも、将来のA級候補でもある。 ▲2六歩△8四歩▲7六歩△3二金▲7八金△8五歩▲7七角△3四歩▲8八銀△7七角成▲同銀△2二銀▲4八銀△6二銀▲4六歩△4二玉▲3六歩△3…
第76期順位戦A級7回戦 羽生善治 棋聖 vs. 渡辺 明 竜王 この将棋に、特に感銘を受けたというわけではない。 ただ、観戦せざる観戦記を書くのはなかなかおもしろいので、またしても空想で。 ▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲7八金△8五歩▲7七角△3四歩▲6八…
渡辺 明 竜王 vs. 羽生善治 棋聖 第30期竜王戦七番勝負 第4局 私はこの将棋に感銘を受けた。そこで、もちろんネットでしか観戦していないのだが、観戦記を書いてみようと思う。ほとんどすべては想像によって書いたものである。 初手より ▲7六歩 △8四歩▲6…
第59期王位戦予選 行方尚史 八段 vs. 長岡裕也 五段 行方八段有利というのが多くの見方だとは思いますが、長岡五段がいかに戦うか、というのが見所だと思っていました。 下図から、先手が3手1組の手順を繰り出します(5段) 正解は▲3三飛車成△同桂▲4五…
第76期順位戦A級7回戦 三浦弘行 九段 vs. 稲葉 陽 八段 この二人はまさに大型の対決。 将棋は、とんでもないねじりあいになった。 今年の名局賞を受賞するのではないかと思うほど。 まずさんざん戦いあって、ひと段落したのが下図。竜があるため、先手やや…